十三機兵防衛圏 は過大評価なのか?

十三機兵防衛圏はつまらない




十三機兵防衛圏 絶賛されるが本当なのか

十三機兵防衛圏はつまらない のか面白いのかについて、本作は日本ゲーム大賞2020優秀賞を受賞するなど、メディアやユーザーから大好評を得ている。

筆者はswitch 版で十三機兵防衛圏(2019年11月28日 PS版 2022年4月14日 switch版 発売:アトラス  開発:ヴァニラウェア 売上40万本以上)をゲーム内容の事前情報無しで始めてプレイした。

追想編、崩壊編、究明編の3つのパートを進めながら、キャラクター達がタイムリープしながら謎に迫る本作は、評価通りの面白さがある一方で、これは遊ぶ人によっては、つまらない、過大評価と感じてしまうだろうなと感じた。その理由を述べていこう。

十三機兵防衛圏はつまらない?
面白い?そのストーリー

時は1985年、咲良高校に通う鞍部十郎は、何か得体の知れない違和感を抱えて学園生活を送っていた。

そんなある日、彼は意図せず機兵と呼ばれるロボットを呼び出す力に目覚めてしまう。

機兵とは1940年代、戦時中に敷島重工が開発した兵器。その兵器に乗って戦う予定だった当時の軍人の青年、比治山と関ヶ原は、何らかの事故でタイムリープして1985年の咲良高校に迷い込んでしまう。

何かの運命か機兵を呼び出す能力を持った者は咲良高校の生徒の中に他にもいたのだ。

そして運命に導かれ13人の機兵操縦者の若人が集った。

彼らは、お互いが何者かは知らない。何故自分が機兵に乗っていたのか記憶も曖昧であった。

しかし彼らの運命の歯車が動きだす。この世界の謎と日々感じていた違和感。徐々に明らかになる、運命の交差、閉ざされた世界、世界の崩壊、箱舟計画、それらを明らかにする為、世界の崩壊を食い止める為に機兵に乗って怪獣ダイモスと戦うのだった。

十三機兵防衛圏はつまらない

面白い・楽しい点

  • 十三人の主人公達
  • 考察好きにはたまらない数々の謎(究明編)
  • 没入感のある世界観

十三人の主人公達

登場人物(一部)
  • 鞍部十郎(声:下野鉱)|咲良高等学校に通う映画好きの男子。日々違和感を感じて生活をしていたが、ある日意図せず、巨大ロボの機兵を出現させてしまう。
  • 薬師寺恵(声:内田真礼)|真面目で感情を出さない咲良高校の料理が得意な女子。ある事情で同校の鞍部十郎家に居候している。鞍部に愛情を抱いている。
  • 関ヶ原瑛(声:浪川大輔)|ある日目を覚ますと見ず知らずの女性の死体があった。そのことから黒服に追われる身となる。過去の自分から「この世界を脱出しろ」と意味深なメッセージを受け取る。
  • 冬坂五百里(声:種坂敦美)|咲良高校のどこにでもいそうなお喋り好きの明るい女子生徒。最近は変な夢に悩まされて不眠が続いている。関ヶ原瑛に恋心を抱いている。
  • 三浦慶太郎(声:石川界人)|太平洋戦争時代を生き祖国を想う若き軍人の青年。妹思いで思慮深く真面目な性格。上司に比治山を持つ。
  • 南奈津乃(声:佐倉薫)|咲良高校の陸上部に所属する元気な女子生徒。実は宇宙人との交流を夢見るオカルトマニア。隣に住む、鞍部の祖母玉緒と仲が良い。
  • 網口愁(声:鈴木達央)|スポーツ万能で家が金持ちで人当たりが良く男女共に人気のあるプレイボーイ。最近、不思議な夢とテレビから話しかけてくる謎の少女に悩まされている。
  • 鷹宮由貴(声:小清水亜美)|他校にも名を馳せるスケバン。正義感気強く喧嘩っ早い。奈津乃とは幼馴染の親友で唯一気兼ねなく話せる存在。
  • 比治山隆俊(声:石井隆之)|太平洋戦争時を生きる軍人の青年で三浦の上司にあたる。実直で男らしい性格だが、沖野という美少年に心を惹かれ振り回される。
  • 如月兎美(声:市道真央)|遠慮のない生意気な言動で誤解されるが、頭の回転が早く逆境を乗り越える強さを持つ。冬坂と仲が良い。
  • 緒方稔ニ(声:関智一)|中学時代から周囲では有名なケンカが強く度胸の据わった不良だが情に厚く昔気質な咲良高校の男子生徒。
  • 東雲諒子(声:早見沙織)|記憶の混濁と頭痛に悩まされ、放置していると頭痛で意識を失ってしまう為いつも謎の薬を常飲している。
  • 郷登蓮也(声:福山潤)|機兵操縦者を束ねるリーダー存在。咲良高校の生徒会長。

考察好きにはたまらない数々の謎(究明編)

本作の魅力は、複雑でミステリアスな物語だが、本編では詳しく描かれない作品のディテールを究明編で深められる。伏線の回収や考察好きには嬉しい内容で、作品を奥深くリアルなものにしている。

究明編(一部)
  • しっぽ|薬師寺の前に現れた謎の喋る猫。鞍部を救いたい薬師寺の願いを叶える交換条件に危険な任務を遂行させる。
  • BJ|南が発見した謎の高さ約60センチのロボット。記憶セルを探す為に南に協力を仰ぐ。
  • 井田鉄也|咲良高校の非常勤講師。東雲のクラスの担任だが実は非公式の組織員。東雲を戦いの場に引き込む。
  • 426|426とは囚人番号で未来の刑務所から逃げた犯罪者。
  • 尾西平三|蒲染区の警察署少年課の私服警官。人情に厚く少年達からは鬼平と親しまれている。
  • ドロイド|人間型骨格を持つアンドロイド。カーボンナノチューブ強化チタンで作られた外骨格に上質のシリコーン製の皮膚を被せて人間との違いを見分けるのは不可能。
  • 魔法の銃|しっぽが薬師寺に渡した変わった形の銃。この銃で撃たれると前後の記憶が曖昧になる。
  • ドローンの頭脳|シキシマロボテクスの刻印があるドローンのパーツ。
  • ヘッドギア|沖野が人の頭の中を覗く為に作った装置。
  • 適合者|ゲートや機兵、中枢を操作できる資質を持つ者のこと。
  • 制御鍵|制御鍵はプログラムコードで15人のうちの1人が所有している。世界が滅ぶまでその所有者の意思とは関係なく身体からDを生み出し呼び寄せる信号を発する。
  • ループ|怪獣の侵攻により世界は16年おきにリセットされ続けており、少年達は大人になることなく死んでは生まれてを繰り返している。
  • テラフォーミング|地球に似た惑星を探し、惑星の環境を改造して人類が生存可能な状態にすること。
  • 探査機|探査機内部には周囲の探査機と比較しながら自己修復するためのメモリーキューブと呼ばれる構造型の記憶素子か搭載さている。
  • 機兵|主人公達が怪獣と戦うために乗り込む巨大ロボ。搭乗者の脳内のナノマシンと機兵がリンクすることで頭で考えて戦える。
  • 第一世代機兵|近接戦闘に特化した機兵で最も古い型となる。10番、11番、12番がある。
  • デモリッシュブレード|第一世代型機兵の武装。高速回転する剛鉄のカッターで、硬い岩もチーズのようき削る。
  • リープアタック|第一世代型機兵の機能。ロケットエンジンと両足の巨大ピストンで大きくジャンプ、着地点周囲に強烈な振動で怪獣を転倒させる。
  • 腕部マシンキャノン|第二世代型機兵の武装。両腕に装備された機関銃。
  • 対地ハンターミサイル|第三世代型機兵の武装。遠方に貫通力の高いミサイルを放ち怪獣の急所を狙撃。
  • ジモラ|全長35メートルの巨大な怪獣、重量とパワーがある。
  • ツインテール|巨大な2本のアームを持つ怪獣。長距離ミサイルなど遠距離攻撃に特化。
  • ドラムマシン|ボディー全体が車輪のような形状をした怪獣。ロケットエンジンで車輪を回転してターゲットを捕捉し自爆を行う。
  • 旧校舎|1944年に建てられた築40年を超える木造校舎。
  • ユニバーサルコントロール|地下の中枢。街の全てがここで管理されており、世界に矛盾が生じた際に、住人の記憶や状況を操作する。
  • セクター1|2089年から2109年をシミュレートした施設。
  • セクター2|2049年から2069年をシミュレートした施設。
  • ダイモス|2154年に「怪獣ダイモス」生誕を記念して制作されたオンラインフルダイブゲーム。怪獣ダイモスによる厄災から生き残ることを目的としている。

没入感のある世界観

デザイナー・平井有紀子氏の描き出す水彩風で彩られたキャラクター達や世界観はストーリーに完璧にあっており、作品への没入感をプレイヤーは感じることができるだろう。ノスタルジックな昭和の風景から未来までを見事に描き切っている。




面白くない・つまらない点

  • つまらないカメラアングル
  • 多すぎるキャラクターと複雑な物語
  • ゲーム性は低い

つまらないカメラアングル

世界観は温かみのあるイラストで彩られ、アニメの世界にいるような没入感があるのだが、カメラアングルは今どき横スクロールオンリー。せっかくの世界観やキャラクターをさまざまな角度で見ることができないのは残念だ。

多すぎるキャラクターと複雑な物語

十三機兵防衛圏はつまらない

13人の男女の主人公達と重要キャラクター達が織りなす物語は重厚で、最後まで謎に包まれたミステリーが展開されるのだが、キャラクターは多すぎるように感じる。

なので、筆者には感情移入できるキャラクターは少なかった。しかし13人もいたら誰でも1人くらいはお気に入りのキャラクターが見つかるとも思う。

ゲーム性は低い

アトラスと言えば、ペルソナメガテンなどのRPGをイメージする。がしかし本作は、アドベンチャー的なノベルゲームが主な内容でゲーム性はかなり低い。

崩壊編では敵のダイモスと戦うシュミレーション的な要素があるが、簡素で本格的な内容ではなかった。ロボットに乗って戦うのに、ロボの描写も少ないのは残念。

追想編での、主人公達は進行途中の選択肢で様々な時間軸を経験しながら、エンディングに辿り着くのだが、しかしプレイヤーの選択はエンディングに影響しない一方通行。

デトロイトビカムアヒューマンのようなマルチエンディングではなかった。

男女の間で恋愛要素もあるが、相手を選択できず、ペルソナのような誰を選ぶかの遊びや寄り道はなく、本作にゲーム性を期待しない方がいい。


それらを踏まえて 十三機兵防衛圏 には
星3.5を贈ろう

ストーリーは最後まで謎に包まれて興味深い展開でしたし、評判が良いのは理解できるなと感じました。

キャラクターのデザインは、この手のいわゆる萌えテイストは好き嫌い別れそうですが、とても良く世界観とマッチしていると思います。

漫画や小説、アニメを見て考察するのが好きな人は、ハマると思います。物語が複雑なのでプレイする時は、他のRPGゲームと掛け持ちしないで、あまり時間をかけないでクリアすることを薦めます。でないと途中経過を忘れてしまいますからね。

賞賛される一方で、複雑な物語が苦手な人や王道が好きな人には、奇を狙いすぎていて課題評価と言われる声も理解できます。ちょっと評価されすぎかなとも。

個人的にはこのゲームはクリア後に物語を語るのが難しいので、アニメ化して欲しいですね。復習になるので2度美味しいのではないでしょうか。

十三機兵防衛圏はつまらない
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