ドラゴンクエスト3
そして伝説へとは
ドラクエ3リメイク賛否 がある作品だったが、それだけ、ドラクエが多くの古くからのゲームファンから愛され、本作がいかに期待が大きかったか伺える。
ドラクエ3はファミコン版が1988年2月10日に発売され、当時のゲームショップには、長蛇の行列ができるほどの旋風を巻き起こした。
巷では、ドラクエ狩なるカツアゲが問題視され、社会現象にまで発展。テレビゲームを家庭の中心にまで押し上げ、それから続編が発売される度に国民的な行事へと成り上がったのがドラクエだ。
そして、本作リメイクだが筆者的には、グラフィックの面では、とても良いリメイクだと思う。しかしシステム面では、やはり現代では通じない部分、古臭さや、時代遅れを感じてしまった。その辺りを解説していこう。
ドラクエ3リメイク賛否
そのストーリー
小国アリアハンの
勇敢なる戦士・オルテガの子である主人公は、
16歳の誕生日を迎えたある日、王様から重大な使命を告げられる。
それは、亡きオルテガの遺志を継ぎ、闇の国より現れた魔王・バラモスを倒すことだった。
世界を救うため旅立った主人公を待ち受けていた驚きの運命とは……!?
ドラクエ3 面白い・楽しい点
- 味わい深い表現の2Dグラフィック
- 曲が素晴らしい
- 遊びやすい
味わい深い表現の2Dグラフィック
賛否のあったHD2Dグラフィックだが、一部でMAPが広すぎる、3Dじゃない、移動の挙動の問題など手厳しい批判はあったが、見た目に関しては、この表現はアリだなと感じる。同社スクエニのオクトパストラベラーと同じ表現手法の3Dと2Dの中間のHD2Dは、ノスタルジーと新しさが吹き込まれた、味わい深いグラフィックだと感じた。
マップの起伏や奥行きも上手に表現されていて、旧世代機に比べても、冒険している感覚は、確実に増している。
ドラクエ8や10や11のように、完全3Dで「鳥山明先生の絵がそのまま動きます!」それが正に理想的だが開発費などの都合もあるのだろう、なのでドット絵から進化した表現を素直に褒めたい。
もしこれが、ドラクエ10オフラインのように、オリジナル版からスケールダウンしたようなものなら、グラフィックに関して不満に感じてしまっただろう。この映像表現は続けて欲しい。
曲が素晴らしい
ドラクエといえば、鳥山明氏のイラスト、堀井雄二氏のプロデュース、そしてすぎやまこういち氏の曲なしでは語れない。
ドラクエの曲が素晴らしいのは、シリーズを通してのことだが、特にドラクエ3のBGMにおいて、戦闘シーンやワールドマップや町など、印象深く耳に残っている名曲が多くある。本作ではそれをオーケストラで聴きながら冒険できる贅沢な体験となるだろう。
わがままを言えば、ファミコン版の音とオーケストラ選べたら2度美味しかったと思うが。
遊びやすい
本作では、イージーからハードの難易度が用意されている。リアルタイムで遊んだ大人だけでなく、今からドラクエ3を始めて遊ぶ、子供達にも優しい設計となっている。
本作では、音声が追加されたり、自動戦闘を使えば、レベル上げも比較的容易で、ダーマ神殿での転職も割と早く行えサクサク進むことができる。
戦闘スピードや会話の早さも変更できるので、幅広い年代で遊びやすくなっている。ゲームボリュームも満足できる量だ。お父さんが遊んでいたのは知っていて興味があるけど、ドラクエ未プレイだった小さなプレイヤーもすんなり入っていけるだろう。
ドラクエ3 つまらない・面白くない点
- 開発期間が長い
- キャラの掘り下げ不足
- 遊びやすいが簡単すぎる
開発期間が長い
昨今のスクエニ作品に言えることだが、発表からリリースまでの期間が長すぎる。
これは、以前に決算で開発途中の物を損切りして中止したという情報があったが、何か関係しているのだろうかと邪推してしまう。
勿論、開発が大変なのは重々承知だが、例えば中1の時に発表されて、リリースが高校生になってからだと、確実に新規ユーザーの関心は薄れているし、当時を知る中年も仕事や家庭など様々事情は変わっているだろう。
既に、鳥山明先生、すぎやまこういち先生も亡くなってしまわれた。
本家の開発者やプレイヤーの高齢化も無視できない。
FF 7リメイクも例に漏れず、発表から発売までの期間が長すぎた為に、好機を逃したように感じる。
なるべく早く発売すべきだろう。
キャラの掘り下げ不足
ドラクエ3はオリジナルがファミコンで発売された作品で、とても古いゲームだ。
なので当時は、ハードの性能の制約もありキャラクター1人1人の深いドラマは描かれていなかった。当時のプレイヤーは、ファミコンやRPGそのものが目新しかったので足りない部分は、想像しながら楽しんでいた。むしろそれが普通だったが。
しかし、大昔のファミコンに比べて、遙かに高性能な機器であるプレステ5やSwitch、PC 版のSteam では、物足りなさを感じるだろう。
主人公がどんな使命を抱えているのか?魔王はどんな悪いやつなのか?仲間達はどんな宿命を持って一緒に旅をするのか?ドラクエ3としてのドラマがファミコン当時のままで、あまり描かれていない。
主人公が無言なのはシリーズ通して普遍だが、仲間もほぼ無言。せっかくキャラに性格があるのに、キャラクターと会話ができない、仲間は物語に参加していない。
これではゲームに感情移入できないし、当時は子供だった大人がノスタルジーに浸るだけが目的のゲームになってしまう。
筆者的には、このように思い出補正された記憶に、現代仕様に手直ししなかった点は、ドラクエ3リメイクが賛否を産んだ理由の一つと推察する。
遊びやすいが簡単すぎる
このドラクエは、ファミコン版やスーファミ版に比べてかなり遊びやすい。しかしその遊びやすさは緩いと感じることもある。
3つの難易度設定がありプレイヤーのゲームの熟練度や好みに合わせたバランスで遊ぶことができる。
イージーは物語を楽しみたい人、ノーマルは通常のバランスの良い難易度、ハードはやりがいや達成感を重視する人。
他にも遊びやすくなった点として、レベルは比較的上がりやすい、会話や戦闘スピードも選べて、ライトユーザーには、遊びやすくなっている。
しかし、そもそも難易度を下げて、物語を楽もうと思っても、描画の足りない部分の物語に手直しやテコ入れは、されておらず物語はそこまで長所でない本作。
仮に難易度をイージーで始めて、会話を早送り、戦闘をオート依存や早回しにして、ゲームの本当の楽しさを享受できるのだろうか。今までシリーズのように開発陣がプレイヤーに遊んで欲しい難易度をデフォルトにした方が良いのでは?
ライトユーザーに合わせるのか、本家を知るオールドファンを喜ばせたいのか、どっちつかずの、はっきりしない点がある。
難易度を下げ物語に集中できる仕様があるなら、ドラクエ5くらいの面白い脚本が必要だと感じる。
RPGやゲームが当時は新鮮だったかもしれないが、現代では、ゲームシステムとしても、もはや目新しさがない。戦闘に楽しみを見出すのも難しい。イージーモードなら尚更。
それらを踏まえて ドラクエ3リメイク
には星3を贈ろう
しかし、ドラクエ3リメイク賛否を産んだ理由の一つと言われる 致命的な点は、ストーリー部分の仲間との関係性や魔王がいかに恐ろしいか、その因縁など描くべきが描かれていないのがマイナスでした。つまり物語が面白くない。
ファミコンでならお使いもそこまで気にならないし、ファミコンの性能的にもそんなものだと理解できますが、ハードの性能も天文学的に進化して、音声まで追加されたのにも関わらず、仲間とのコミュニケーションが無い、一緒に旅する仲間が何処の誰なのかわからないなど、ゲームの根幹となる部分がテコ入れされておらず、ファミコンのままなのは、残念でした。
しかし、後世に過去の名作を引き継いでいくことは、大切なことだと思いますので、この表現がどのように発展していくか楽しみですね!