ファンタジーライフi
グルグルの竜と時をぬすむ少女
ファンタジーライフiはつまらない ?いや子供向けと思いきや大人も楽しめる手軽でやり込みもできるゲーム。
本作はレベルファイブが過去にニンテンドー3DSで発売された人気作の続編にあたる。当初制作に元カプコンで鬼武者やロックマンシリーズを手がけた稲船氏がレベルファイブに加わりレベルファイブコンセプトという新しい会社を立ち上げて制作が進められていたが、稲船氏の退社でもう一度制作体制にテコ入れして開発された経緯がある。
結果的にそれが功を奏し、世界的にもスマッシュヒットし評判を呼んでいる。筆者もその評判を参考に初めてファンタジーライフを遊んでみた。
ファンタジーライフi ストーリー
あなたは考古学者のエドワードたちと航海に出た冒険家。ドラゴンの化石から出る光を手がかりに地図にない無人島を発見します。
しかし、島に近づくと恐ろしいダークドラゴンが襲来。その時、化石の中から骨の姿をしたドラゴンが現れました。激闘の中、骨ドラゴンに導かれるままに、目の前に現れた謎のゲートを抜けたあなた。
そこで辿り着いた島は人々でにぎわっているようで…?
さあ、島に眠るナゾを解き明かす冒険に出かけましょう!
ファンタジーライフiの
面白い・楽しい点
- ライフの習得による連鎖
- 探索が楽しいバカデッカーナ島
- どうぶつの森ライクな島の開拓とスローライフ
ライフ習得による連鎖
戦闘職・採取職・制作職という3つのカテゴリーに属する十四種の「ライフ(職業)」が用意されている。
プレイヤーが操る主人公は、特定のライフを一途に極めるのではなく、様々なライフを横断的に習得し、それぞれの能力をスキルボードで段階的に解放しながら物語を進めていく。
このシステムにより、一つの成長が別の分野の進展へと連鎖的に波及し、攻略範囲が広がっていく感覚が得られる。それは、まるで歯車がかみ合い、世界が軽やかに動き出すような心地よさだ。
たとえば、採取職のひとつ「採掘師」は、高品質な鉱石の入手に不可欠な存在だ。採掘師としての能力を高めることで、より希少で価値の高い鉱石を掘り出せるようになる。そして、その鉱石は制作職「鍛冶屋」の技で精巧な武器へと生まれ変わり、戦闘職「王国兵士」などが手にすることで攻撃力を飛躍的に向上させる。こうして採取・制作・戦闘の三工程が有機的に結びつき、戦局を有利に導く。
さらに、一度就いたライフは、木を伐るときや鉱物を採掘するときなど、状況に応じて自動的に切り替わる。ドラクエのダーマ神殿のように、職業変更のためにわざわざ特定の場所へ赴く必要がないのも、テンポの良い冒険を支える魅力のひとつだ。
加えて、物語の合間を彩るサイドクエストも豊富に用意されており、主軸の冒険と並行して世界をより深く味わうことができる。
探索が楽しいバカデッカーナ大陸
物語のメインの舞台には様々なロケーションがあるが、それ以外にもバカデッカーナ大陸では、ゼルダの伝説ライクな広大なオープンワールドの探索も用意されている。
そこでは、木や鉱物などの素材やカリモノに変身してしまった仲間を助けたり、集落を救ってそこでアイテムを貰ったり、購入したり、伝説の武具のレシピを入手したりと様々な冒険に役立つアイテムが得られるのが魅力だ。
タワーを開放すると地図の表示範囲が広がって行くのはゼルダの伝説、ブレワイやティアキンと同じ仕様となっている。
どうぶつの森ライクな
島の開拓とスローライフ
本作は、過去と現代を行き来しながら物語が進行する。主な舞台は、かつて栄華を誇った古代文明の時代だが、その文明が滅び去った現代では、プレイヤーは無人島に仲間を集め、村(集落)を築き上げることができる。
自らの家を建て、家具や装飾品にこだわり内装を整える。集まった仲間のために家を建設し、畑では野菜を育て、島の中に橋を架け、さらには世界を冒険して集めた素材を、島の商人に納品して商品を増やし島を発展させていく。これらの要素は、時に本編のストーリーを忘れさせるほどの没入感を与える。
ストーリーは良くも悪くもシンプルだ。しかし、そのシンプルさこそが寄り道の自由度を高め、プレイヤーをスローライフの世界へと誘う。本筋を一時忘れ、島での穏やかな日々に身を委ねる――それもまた、本作ならではの大きな魅力だ。
ファンタジーライフi は
つまらない 面白くない点
- ストーリーは良くも悪くも単純
- 子供っぽいゲームデザインが苦手な人もいる
- ゼルダやどうぶつの森に及ばない
ストーリーは良くも悪くも単純
レベルファイブの日野社長は、過去のインタビューでも語っているが、レベルファイブのゲームは、子供に向けて作っている。
当然、ストーリーも何処かで見たことのあるような分かりやすい内容だ。
ストーリーが単純なので、寄り道しても見失いにくい反面、ストーリーを重視するプレイヤーには物足りなさを感じるだろう。
本作はゼルダやどうぶつの森ライクな点もあるが、それらのようなビックタイトルではなく、そもそものターゲットは子供だという点を忘れてはいけない。
子供っぽい
ゲームデザインが苦手な人もいる
ファンタジーライフiのキャラクターデザインは、お世辞にもカッコ良くはない、どちらかと言うと小学生くらいの子供達が親しめる2頭身の可愛らしいキャラクターだ、例えば、たまごっち、デジモン、ポケモンなどに近い、それらの系統のデザインが苦手なプレイヤーもいるだろう。内容は面白くても、見た目で刺さらない可能性もある。
ゼルダやどうぶつの森に及ばない
前述の通り、バカデッカーナ島では、ゼルダの伝説風のオープンワールド的要素や、現代の島では、どうぶつの森風の集落造りを楽しめるが
本家ほどの作り込みはできない、あくまで浅く広く様々な体験ができるのが本作の魅力だ。前評判を見聞きして期待が大きすぎるとガッカリすることになるだろう。ゲームの視点が広くない点もオープンワールドを遊ぶ際の弱点。
あくまで、スローライフを楽しむようにのんびり楽しむゲームのように思う。
それらを踏まえてファンタジーライフi
には星4を送ろう
宮本茂氏のゲーム作りの哲学の一つ「プレイヤーを褒めてあげる」ことに通じる。仲間が応援や協力してくれたり、レベルが上がったり、鉱石や木を採取したりと何かを達成したら、賑やかな演出なり音楽やBGMなりが、プレイヤーを気持ちよくしてくれる。
ただし、もっと歯応えを求めるプレイヤー、それこそ、本家のゼルダやソウルシリーズなどが好きなプレイヤーには、物足りなさを感じるのも確かです。
もっと気軽に遊びたいライト層や親子や小学生などに広くゲームの面白さを伝えてくれるゲームだと思います。














