カービィのエアライダー賛否
カービィのエアライダーは「クソゲー」か「神ゲー」か、評価が真っ二つに分かれるゲームとなっている。賛否の分かれ目は、前作のゲームキューブ版を少年少女時代にハマって遊んだかどうかが鍵になるようだ。
筆者は前作を遊んでおらず、開発者の桜井氏のニンテンドーダイレクトを見て「面白そうなレースゲームだな」と感じて購入したクチだ。しかし実際に遊んでみると「うーん、これレースゲーム?よく意味がわからない」と、若干期待はずれ寄り、クソゲー認定寄りに感想が傾いていた。
ところがもう少し時間をかけて遊んでみると、次第に印象が変わってきた。「これはレースゲームではなく、パーティーゲームだ」と割り切ると、一気にカービィエアライダーの面白さが際立つゲームなのだ。(発売日:2025年11月20日 開発:有限会社ソラ & 株式会社バンダイナムコスタジオ)
カービィのエアライダー
面白い・楽しい点
- 勝敗にこだわらない人も楽しめる
- 操作がシンプル
- ゲームデザインが良い
勝敗にこだわらない人も楽しめる
本作はレースゲームとして設計されているが、コースの細やかなライン取りやカーブの切り抜け方といった、従来のレースゲームの戦略が通用しづらい。むしろパーティーゲームとしての要素が強く、丁寧にカーブを曲がろうとしていても後ろから追撃されたりと、かなりカオスな展開になる。
転機は、シティトライアルを何戦かこなしていた時だった。街中で16人がアイテムを奪い合い、マシンを強化し、最後にどのスタジアム種目で勝負するか分からない
気づけば「勝つために走る」のではなく、「次に何が起きるか」を楽しんでいた。
勝っても負けても割り切れるというか、勝敗にこだわらず割り切ったほうが楽しめるゲームだ。
操作がシンプル
桜井氏はニンテンドーダイレクトで「こりゃマリオカートでよいですね」と自ら触れていたが、操作面ではしっかり差別化されている。マリオカートはアナログスティック、アクセル、ブレーキ兼バック、LRを使ったドリフトなど、多くのボタンを使う。
一方エアライダーは、ボタン一つとスティックのみで操作できる設計だ。大人から子供まで、誰でもすぐに遊べる。
ゲームデザインが良い
ゲーム全体の見た目やカラーリングは可愛くわかりやすく、それだけでも好感が持てる。だがそれだけではない。
キャラクターとマシンの組み合わせは奥深く、ゲームモードもバリエーションが豊富だ。通常のレースモード「エアライド」、上からミニチュアのラジコンを見下ろした風のレースゲーム「ウエライド」、街中で16人が競い合う「シティトライアル」、1人用の「ロードトリップ」——どれも本編と呼べる出来で、秀逸なゲームデザイン・設計がなされている。好感度は高い。
つまらない・面白くない点
- レースゲームとしては成立しづらい
- メインコンテンツが曖昧
- 1人プレイヤーは飽きる
レースゲームとしては成立しづらい
面白い点でも触れたが、本作をレースゲームとして捉えると楽しめない、つまらないと感じるかもしれない。各モードにはオンライン対戦が用意されているので、オンラインを住処に勝敗を重視して楽しむプレイヤーには、納得できない・不満の多い仕組みとなっている。
もちろん腕を磨いてオンラインで勝ち抜くのも遊び方の一つだろう。ただ、そこまでこだわるなら、グランツーリスモなどの本格レースゲーム、あるいは走り込みが結果に還元されやすいマリオカートなどを遊んだほうが楽しめるはずだ。
本作はパーティーゲームであり、賑やかな雰囲気を楽しむのが遊び方のコツ。決して血管を浮かべ血眼になる類のゲームではない。
メインコンテンツが曖昧
4つのモードがそれぞれ「メインの看板」と言える扱いになっているがゆえに、「このゲームのメインは何?何を遊べば良いのか?」と初めて遊ぶプレイヤーは戸惑うだろう。筆者も本作から入ったクチなので、最初の数日はモード間を行き来して、自分の遊び方を掴むのに時間がかかった。
加えてオンライン対戦では、エアライドモードよりシティトライアルのほうに人が集まっている印象がある(筆者の体感ベース)。深夜帯はエアライドやウエライドが全くマッチングしないこともあり、発売から時間が経つにつれて、メインコンテンツが曖昧であることの弊害として、人口の偏りはさらに進んでいくだろう。
1人プレイヤーは飽きる
ネット対戦が必ずしも醍醐味のゲームではなく、1人で遊んでも十分楽しめる。とはいえパーティー要素が強いゲームなので、コツコツやり込むタイプのプレイヤーは飽きるのが早い。
他のプレイヤーの評価でも、「子供時代に前作を友達とワイワイ楽しんだのが一番楽しかった」「大人になると一緒に遊べる仲間がいないと、面白さも半減する」といったコメントが見られる通り、1人で遊ぶよりは友達がいたほうが楽しさは倍増する。
そのためのネット対戦ではあるが、これも好き嫌いが分かれるし、人気モードにプレイヤーが偏って好きなモードが遊べなかったり、強い人ばかりが残っていたり、と課題もある。
それらを踏まえて
カービィのエアライダーには
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神ゲーではないが、クソゲーでもない。よく設計された良質なゲームだ。1人でも充実した体験ができたし、前作を遊んだプレイヤーは期待してよいと思う。そして、勝ち負けにこだわらないプレイヤーにもお勧めしたい。特に一緒に遊べる人がいれば、なお良いだろう。
















