Dの食卓2と飯野賢治 氏の魅力

Dの食卓2

D2は飯野賢治 の内面を映し出した鏡のようなゲーム

Dの食卓2 を開発した 飯野賢治 氏は 2013年2月20日42歳 の若さでこの世を去った。しかし作品数こそ少ないものの、ゲーム史に残る唯一無二の 作家性を持ったゲーム を開発しファンを魅了した。

飯野賢治

幼少期に周りの子供たちとはどこか別の視点で過ごした飯野少年は ビートルズ と YMO に影響を受け、大人になった飯野氏は、自分の知らない何かを探すこと、自己の探究を掲げ、

1994年23歳の時に コンピュータ3台 で 株式会社ワープ を立ち上げる。1995年Dの食卓を発売 全世界で 100万本以上を売上 ゲームでは初となる マルチメディアグランプリ通産大臣賞 を受賞。97年音だけのゲーム リアルサウンド を制作。 Dの食卓2(通称D2)は1999年12月23日 に ドリームキャス で発売された。

見本がないものを作りたいとの氏の理念から ゲームの枠を越えた 作品を世に送り出してきた。ゲーム開発の一線から離れた後も 自己探究 や 表現の場は 音楽 作家 講演活動 など 多岐 にわたり才能を発揮した。

Dの食卓2 ストーリー

カナダの永久凍土 の 大地に眠る 巨大な恐怖が今 目を醒ます。 2000年 クリスマスのカナダ。

その上空で 主人公・ローラ の乗った飛行機が墜落事故に遭う。

同じ飛行機に乗っていた黒人女性・キンバリーに助けられ、吹雪の山小屋で目覚めるローラ。

やがて二人は、見も毛もよだつ姿に変貌した人間=モンスターに遭遇する。

何故、人間がモンスターになってしまったのか。何故、あの事故が起こったのか。 謎を解いて行くにつれ、宇宙、地球、人類の運命に関わる壮大なストーリーが徐々にその姿を現してゆく──。

Dの食卓2 の楽しい・面白い点

  • 飯野賢治 氏が描く世界観ストーリーが面白い
  • D2はキャラクターが素晴らしい

世界観ストーリーが面白い

飯野氏の描くゲームには哲学的なストーリーとテーマが根幹にある。主人公が様々なキャラクターと出会い会話をしながら物語が進んでいくそのシナリオこそゲームクリエイターとしての作家性がある。

飯野氏が過去の作品で描いてきたテーマ、人間にとって人生とは、親子とは、選択とは、愛とはなんだ?その集大成が、Dの食卓2のテーマとなる。

飯野氏のゲームの中では、母親のキャラクターはあまり登場しない、これは彼が幼少期に母親が家を出て行った出来事に起因する。それを作中で表現する難しさからか、本作は脚本がなかなか進まず発売は1年延期になっていた。

しかし、D2は待っただけの完成度を誇る作品と言える。

ゲームを演出するこだわったサウンドも見所、聞きどころの1つ、それも付け加えておきたい。

D2はキャラクターが素晴らしい

  • ローラ・パートン(声:駒塚由衣)
  • キンバリー・フォックス(声:幸田直子)
  • デイビット・ブレナー(声:大塚明夫)
  • パーカー・ジャクソン(声:山野井仁)
  • ジェニー(声:小桜エツ子)
  • ノレックス・ゲオルギータ(声:ケン・サンダース)
  • ラリー・デヴェルー(声:荒川太郎)
  • ジェニーのおじいちゃん(声:永井一郎)

面白くない・つまらない点 

  • 飯野賢治 氏の世界観が好きになれない人
  • 戦闘が単調
  • ドリームキャストでしか遊べない

飯野賢治 氏の世界観が好きになれない人

独特のオカルティズムな世界観を持ち、それが評価されている飯野氏だが、当然その世界観に好き嫌いは分かれる。主人公は喋らない金髪の女性、癖の強いサブキャスト、登場するモンスターはグロテスク。

昨今、流行りの 絵師 と呼ばれるような クリエイター が描く キャラクター が好きな人や 派手で煌びやか 色とりどり の演出や 爽快感 を望む人には、受け入れられないかもしれない。

戦闘が単調

このゲームは、キャラクターを鍛えて特殊能力を獲得して、武器をカスタマイズして戦闘を有利に進めていく類のゲームではない、おせじにも戦闘が楽しいとは言えず、戦闘を繰り返すのは苦痛を伴う。

Dの食卓2

ドリームキャストでしか遊べない

残念ながら、リメイクや移植はされておらず、旧世代機のドリームキャストでしか遊べないので、遊ぶバードルは高い、そして遊べたとしても当時のテレビ画面の比率と現在では違う為、きちんと映るかも怪しい。飯野賢治氏が亡くなっている為、今後アーカイブの登場も期待できない。ゲーム史に残る作品としては残念でならない。


それらを踏まえてDの食卓2には星4を贈ろう

筆者は飯野賢治氏の世界観が好きで、このゲームは、幼い頃に二度三度もクリアしていますし、大人になってからも、クリアしています。筆者は 飯野 氏にSNSでD2の面白さの感想を送ったことがあり、返事を頂いたこともあり良い思い出があります。

今ではグラフィックも低画質だし、ゲーム性も快適とは言えませんが、なぜ何度も遊びたくなるのか、その理由はキャラクターの会話をもう一度、聞きたい、極限の中の温もり、その会話こそ飯野賢治氏のメッセージが込められていると肌で感じられるからでしょう。亡くなられた2013年にその功績が讃えられCEDEC AWARDSを受賞されています。

余談ですが ICO 人喰いの大鷲トリコ ワンダの巨像 などを生み出したゲームデザイナーの上田文人氏 はかつて 飯野賢治氏 の立ち上げた 株式会社ワープ に入社しエネミーゼロの開発に関わった経歴を持っており、インタビューで飯野氏と働いたことで得られた影響もあると語られています。