金字塔を打ち立てた名作 元祖ファイナルファンタジー7
元祖ファイナルファンタジー7 は、プレイステーション1で発売されたファイナルファンタジー史上最もファンに驚きを与えた名作である。
ファイナルファンタジーといえばファミコンから数えて6作品を任天堂ハードで発売されてきた。しかし、FF7(世界売上本数1,000万本以上:1997年1月31日にスクエアより発売) がプレイステーションで独占販売すると発表された当時、幼いながらに度肝を抜かれた。
それは、当時繰り広げられていたセガサターン、プレイステーション、の次世代機戦争に終止符を打ち、次世代機で遅れを取っていた任天堂王朝時代の終わりを予感させる大ニュースだった。
ほんの数年前には、クロノ・トリガーやマリオRPGなどでスクウェアと任天堂は強力なタッグを組み、他にもロマシングサガ、聖剣伝説、バハムートラグーンなど数多くの名作を世に送り出して来た。誰もが次のFFも当然、任天堂ハードからと思っていたし、いや、、、そんなことすら想像していなかった。
元祖ファイナルファンタジー7 ストーリー
科学文明の栄えた街「ミッドガル」は、星の生命エネルギーでもある魔晄を搾取し、それを動力エネルギーとして、繁栄してきた。その魔晄の利権で世界を牛耳り支配していたのが巨大企業の神羅カンパニー。
魔晄は星の命、このまま搾取し続ければ星は滅ぶ、神羅カンパニーに抗うアバランチという反抗組織があった。
彼らの抗争は長期にわたり、神羅によりアバランチリーダーが暗殺されるなど激化の一途を辿っていた。
組織崩壊寸のバレット率いるアバランチにとって、失敗の許されない命をかけた重要な作戦を決行する日がやってきた。
壱番魔晄炉爆破作戦だ。
何としても作戦を成功させる必要のあるアバランチは、神羅に精通した元・神羅カンパニー直属部隊ソルジャーの一員であり、アバランチの女性メンバーであるティファの幼なじみでもある、現在は傭兵稼業をしているクラウドを助っ人を雇うことにする。
過去の記憶の大部分を失っているクラウドにとっては、ただの儲け話の一つに過ぎなかったこの仕事が、後に自身の悲壮で過酷なる過去を明らかにすると共に、この星の未来を左右する争いに身を投じる序章になるとは、この時のクラウドは知る由も無かった。
ファイナルファンタジー7の楽しい・面白い点
- 映像表現の転換点になった
- 新しい世界観
- マテリアルによる成長システム
- FFを代表するキャラクターの誕生
- 音楽が素晴らしい
FFの映像表現の転換点となったFF7
ドット絵に別れを告げ、ポリゴンによる3D作品になるということだ。FFは6辺りからグラフィックで他社を圧倒し始めるのだが、FF6もドット絵の限界に挑戦した美しい映像だったが、7もCGによる挑戦的な意欲作で、神羅のミッドガルのプロモーション映像は、当時はハリウッド映画と見紛うような感覚を覚え興奮した。
ファイナルファンタジーの新しい世界観
初期のファイナルファンタジーは、魔法やクリスタル、戦士や魔導師など中世を連想するファンタジー作品だったが、FF6から鉄や蒸気、エンジンなどマシン的なイメージを導入し未来SFっぽい雰囲気を演出していた。
FF7からは中世的な要素はほぼ取り払われ、最初の街ミッドガルは、高度な機械文明の発達した都市として描かれ、ファンタジーとは程遠い、香港や東京の雑多な街は、少しサイバーパンクを感じさせる雰囲気が漂っている。
プロデュサー 坂口博信 氏、ディレクター 北瀬佳範 氏(FF5より)は前作と変わらず、キャラクターデザインの変更が確認できる。これまで、画家の天野喜孝 氏、二頭身キャラクターのドット絵デザインを渋谷員子 氏 が手がけていたが、FF7では野村哲也 氏を起用しイメージチェンジが図られている。
FF7 をきっかけに、野村哲也 氏の存在感は、スクエア内で大きくなって行き、スクエア作品全体の世界観にも影響を与える存在になる。
マテリアによる成長要素
FFシリーズでは、ジョブシステムなどのキャラクター成長要素がある。FF7では、マテリアというアイテムを武器に装着する。
このマテリアの組み合わせで、キャラクターを思うようにカスタマイズし、戦闘に活かしていく。
アイデア次第で、強力な組み合わせを生み出すことも可能で、組み合わせは数え切れないほどあり、奥が深い要素となっている。
印象的なマテリア
- まほうみだれうち
- ぜんたいか
- MPきゅうしゅう
- ファイナルアタック
- 魔法マテリア
ファイナルファンタジーを代表するキャラクターの誕生
クラウドとセフィロスは、FF史上最も有名なキャラクターになった。もはやスクエアを代表するキャラクターといっても過言ではなく、FF以外にもキングダムハーツや任天堂のスマッシュブラザーズなどゲームやメーカーの枠を超えて登場するキャラクターに成長した。
ファイナルファンタジー7 は、音楽も素晴らしい
ファイナルファンタジーといえば、ドラゴンクエストと双璧をなす国産RPG。そのライバル関係は、音楽にも及ぶ、どちらも印象的なオープン二ングやゲーム中の様々な音楽を誇り、ドラゴンクエストは、すぎやまこういち 氏 、ファイナルファンタジーは植松伸夫 氏 の2人の巨匠がそれぞれ手がけている。
FF7 においても、聴き流すには勿体ない、名曲が散りばめられている。
- プレリュード
- ティファのテーマ
- バレットのテーマ
- 闘う者達
- 教会に咲く花
- タークスのテーマ
- 星の危機
- 片翼の天使
- レッド13のテーマ
- F.F.VIIメインテーマ
- 星の声が聞こえる
- 他
ファイナルファンタジー7 のつまらない・面白くない点
- 話題性が高すぎた故に、その後の凋落を招くきっかけに
- インターナショナル版 など後出し完成版の始まり
凋落を招くきっかけ?
FF7 以降、スクエアは、まるで映画のような映像美に力を注いでいくのだが、後にCGのみで表現したFFの映画に手を出して、大コケしてしまう。
ファイナルファンタジーのピークはFF7 を頂点に、徐々にファンの評価を落としていき、遂にFF13で方向性を見失い陥落。FF15で地に墜ち、ファンの信用を完全に失ってしまう。
FF10やFF12は作品としては面白くコアなファンも多いが、FF7 ほどの話題性と評価を超える、もしくは同等のFF作品の製作は、今後難しいと感じる。
完成版ビジネスの始まり
スクエアが後に完成版として、発売する商法のきっかけになったのも、FF7 インターナショナルからではないだろうか、
それらの商法は、FF10やFF13の続編で不評を買い、FF15のDLコンテンツの大々的な打ち上げと、その発売断念で多くのファンの反感、怒りを買い、組織も内部分裂したように思える。
FF7 に罪はないのだが、その成功体験が後のスクエアのゲーム作りに大きな悪影響を与えたのは否めない。
看板を守り続けたドラゴンクエストとは、明らかにブランドとしての信用に差がついてしまったようだ。