ゼルダの伝説スカイウォードソードは新感覚の操作感を搭載
ゼルダの伝説スカイウォードソードはつまらない とも名作とも呼ばれる、賛否両論のゼルダシリーズだ。
最初に Nintendo Wii で発売され(2011年11月18日発売 VGXアワード ベストWiiゲーム、 VGXアワード ベストモーションゲーム受賞) 時を経て Switch で HD化 されてリメイクされた。(2021年7月16日発売 総合プロデューサー青沼英二)
スカイウォードソードの特徴は、Wii リモコン の動きを 検知 する 3次元加速度センサー を活かして、剣を振るアクションを、腕を縦横に振って 縦切り 横切り などを体感的に表現できるのが特徴であり 本作HD版 も同様に遊べる。
任天堂ハード特有の機能 や コントローラー は クリエイティブな発想 と ユーザー体験 を生み出すが、時にそれらが弊害や不評に繋がることがある。
本作 スカイウォードソードHD もそれらの要素がユーザーの不評になってしまっている。
ゼルダの伝説スカイウォードソードはつまらない ? 面白い?そのストーリーとは
それは空前にして絶後の激しく恐ろしい戦いでした。突如、地を割りその姿を表した邪悪なる存在。彼らは大地に暮らす者達から微笑みを奪いさったのです。
邪悪なる者達は森を焼き泉を枯らし人を殺め続けました。彼らの目的はあのお方、女神様が守りし万能の力、それは全ての願いを全ての欲望を叶えし神々からの遺産、女神様は邪悪な者から万能の力を守る為、生き残った人間を乗せ大地に天を浮かべたのです。
魔の手が、及ばぬ場所、雲海の向こう高き空の果てに、けれどこの物語には伏せられた数々の伝説が存在ていました。そして女神様と亜の者達は、命を賭して戦い邪悪を封印し大地は再び静寂の日々を取り戻したのです。
それから時は経ち
物語の舞台は 空に浮かぶ島「スカイロフト」。⼈々は⼤きな⿃「ロフトバード」に乗り、⼤空 を移動して⽣活を送っている。
騎⼠学校に通う主⼈公の⻘年リンクは、⻯巻に襲われて離れ離れになってしまった幼なじみの少⼥ゼルダを探すため、誰も⽴ち⼊ったことのない、雲の下に広がる⼤地へと降り⽴つことに。
ゼルダの伝説スカイウォードソード楽しい・面白い点
- 個性的なキャラクター達と世界観
- 様々なアイテムや機能を駆使しての攻略が楽しい
個性的なキャラクター達と世界観
一部のユーザーの声では映像が汚い、キャラクターが好きではないなどあるが、筆者は気にならなかった。映像もHD化で味のあるグラフィックに進化している。
キャラクターもギラヒムなど個性的な悪役や愛すべき町のガキ大将など、いくつか存在する。
- リンク|空に浮かぶ島「スカイロフト」で 騎⼠学校 に通う⻘年。離れ離れになってしまった ゼルダ を救うため 雲の下に広がる とされる ⼤地へ 降り⽴つ。
- ゼルダ|リンクの幼なじみで、いつも リンク を気にかけている少⼥。 ロフトバード に乗って⾶⾏している途中、突如として発⽣した ⻯巻 に襲われ、雲の下の⼤地へと落下してしまう。
- ファイ|聖なる剣の 精霊。 ある夜リンクの前に現れ、⼤いなる運命を伝える。今、何をするべきかを教えてくれるなど、冒険のサポートをしてくれる頼もしい存在。ダウンジングでの探し物などの能力もある。
- ギラヒム|⼤地でリンクの前にたびたび現れる。⾃ら 「魔族⻑」 を名乗り、⽚⼿で剣を受け⽌めるなど、圧倒的な⼒を持って⽴ちはだかる。
- インパ|ゼルダが使命を果たす為、に過去からやってきた 案内人。
- バド|スカイロフトのガキ大将で、ゼルダに 恋心 を抱き、一方的にリンクに 対抗心 を燃やす。
様々なアイテムや機能を
駆使しての攻略が楽しい
ゼルダの醍醐味の1つ様々なアイテムを駆使しての攻略や武具やアイテムの強化や入手が楽しい。ゼルダお馴染みの宝箱を開けるワクワク感も健在。
つまらない・面白くない点
- 操作性やインターフェースが最悪
- 長尺のお使いゲーム
- 世界が狭い
操作性やインターフェースが最悪
スカイウォードソードHDの最大の問題で多くの人の不評を買った点が操作性の悪さである。
Wiiリモコンのように ヌンチャク形式で Joy Conを 振って、剣と盾を操作する方法だが、長時間プレイする体力的(平均クリア時間50時間)にも、コントローラーが取り外せない Switch Lite の存在 などの理由で、ヌンチャク形式の操作方法は現実的ではない。
したがって、通常の操作は左右のアナログスティック操作に依存する。攻撃、防御、視点移動、アイテムの選択など、アナログスティックを激しく上下左右に入力したり、押し込んだりとアナログスティックを酷使する仕様になってしまっているので Joy Con の劣化や故障の原因にもなりうる。
インターフェースの悪さも
無視できない仕様となっている。
- 基本操作が複雑
- ジャンプができない
- 頑張りゲージが増やせない(アイテムで一時的にのみ可能)
- パラセールで滑空できない
- 自由にファストトラベルができない
- 倒したザコモンスターが復活する、そもそも倒すメリットがない
- 持ち運べるアイテムが少なすぎる
- amiibo は指定の物しか対応していない
やはり旧世代Wiiのゲーム。 ブレスオブザワイルド の後でやるとどうしても UI などの面で 現代的ではなく ストレスを感じてしまう。 ファストトラベル ができず ステージ毎の移動 がとても 面倒だし 行き詰まった時の ヒントや救済 も少ない。
これらは ゲームを進めるうちに じわじわとストレスになり ゲームに集中できなくなる。
ブレスオブザワイルドはこれらを 見直されて 開発されたのだが なぜ後発のHD版 でも可能な限り改善しなかったのか。
プレイヤーへの配慮不足は 悪い意味で任天堂 らしくない。
長尺のお使いゲーム
一つのダンジョンが長すぎ、しかも休む暇もなくダンジョンに次ぐダンジョンでかなり疲れる。
3つの石版を集めろ(緑宝珠の石版 紅宝珠の石版 黄宝珠の石版)、3つの聖なる炎を集めろ(フロルの炎 ディンの炎 ネールの炎)、勇者の詩を集めろ(雷龍 水龍 炎龍)、3つのトライフォースを集めろなどと、3点アイテムで多々同じようなことを繰り返させる点は「またか、、、」というワンパターンな印象しかない。
同じようなステージ、ダンジョンを使いわまして何度も行き来させる仕様や似たような展開、集める物が多すぎる点などが途中で面倒になり、物語本来の目的を忘れてしまう点も問題。
ストーリーも特に良くも悪くもなく、ひたすら長いお使いをさせられている印象が強い。
冗長なムービーが多々入るのも付け加えたい。
世界が狭い
本作は大空を舞台にした壮大な世界観を想像するが、
世界を大きく分けると スカイロフト と呼ばれるたった1つの町と オルディン、 ラネール、 フィローネ の 3つの地上のダンジョン のみ。(その中にいくつかのスポットが点在)
- スカイロフト
- フィローネの森
- フロリア湖
- オルディン火山
- ラネール砂漠
- ラネール砂海
- ラネール洞窟
- 時の扉
- 封印の石柱
- 封印の地
- ルーレット島
- テリーの島
- 詩島
- 竹斬り島
- パンプキン島
これまでの ゼルダ と言えば 種族毎 に街や村があったが 本作には他種族との交流 も少なく、孤立した世界が寂しく感じる。
ロフトバード を活かす場面が希薄 スカイロフト周辺島々のエピソード などの ストーリー密度が低く 大空を舞台にする要素に欠けているし活かせていない。
それなら空でなくて 地下世界 でも成立するし 地上に出た時の開放感 も高まったのではないだろうか。だから空である 必然がない のが残念。
それらを踏まえて
ゼルダの伝説スカイウォードソードには
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宮本茂氏は 過去に任天堂のゲームのファンだと自認する 松本人志氏 との対談で松本氏が「何故、ゼルダはあんなに長いんですか?」という質問で宮本氏は「ついついあれも入れようこれも入れようとして長くなってしまう」と言うよなことを述べていた。本作は正に あれもこれもと 開発者 の願望が過度に入りすぎてユーザーを置き去りにしてはいないだろうか。
長すぎるダンジョン、ヒントの少ない謎解き、頻繁に入るムービーや解説、長時間遊ぶのには辛すぎる操作性、ゼルダのゲームそのものが 面白い ことに間違いありません。しかし本作は、開発者の思いが リメイク版 発売時の2021年のユーザーの求めるものからズレているように感じました。本作はWiiで遊んでこそ最大限に楽しさを享受できる傑作だったと思います。