大神 「この世の命が蘇る」
和風ファンタジー作
大神の面白さ について。本作はカプコンでバイオハザード2やデビルメイクライなどに携わった神谷英樹氏をディレクターに開発はクローバースタジオ、販売はカプコンが行い、任天堂Wiiで2006年4月20日に発売された作品だ。
本作(初リリース:2006年4月20日発売)で目を見張るのはまずは独特なグラフィック、そしてWiiのリモコン機能を活かした画面に筆で書くような表現などプレイヤーを楽しませる工夫が沢山仕掛けられている。
大神 ストーリー
昔々あるところに神木村と言う名の美しい桜に囲まれた小さな村があったとさ、じゃがこの神木村にはある1つの悲しい風習があった。
古い祠に住む八本の首を持つ怪物ヤマタノオロチを鎮めるため、毎年祭りの夜に若い娘を生贄として捧げていたのじゃ。
その生贄の祭りが近づくと、決まって村外れに現れる。1匹の白いオオカミがおった。
白野威と名付けられた雪のように真っ白なそのオオカミは山や森へ向かう人を遠巻きにつけましたり皆が寝静まった夜に村の中を歩き回ったりするので生贄を品定めするオロチの使いとして気味悪がられておった。
イザナギと言う剣士は、自慢の剣術で何度も挑んだのじゃが白野威は風のように素早く傷ひとつ付けることができなかった。
そしてついに忌まわしい祭りの夜がやってきた生贄を召し取る合図の白羽の矢が天を貫き村で一番美しい娘のイザナミの家に刺さった。
イザナミに想いを寄せていたイザナギはこれに怒りオロチの根城の十六夜の祠へ向かい、立ち向かうも歯が立たず万策尽きた絶体絶命のその時
オロチの前に白野威が立ちはだかり不思議な力で立ち向かうも追い詰められたその時、白野威が力を振り絞り遠吠えをすると空に月明かりが照らされイザナギの剣が金色に輝いた。
何かに導かれるようにイザナギは、渾身の太刀をオロチに振り下ろし次々と首が宙に舞ったのじゃた。
ついにオロチを退治したのも束の間、白野威は息も絶え絶えになり、イザナギに抱きかかえられ神木村に帰り、村人達に優しく見守られ眠るように事切れたのじゃった。
大神の面白い・楽しい点
- 水墨画調マンガのような独特なグラフィック
- 新鮮な操作スタイルの筆しらべと大神の成長
- 日本神話のキャラクター達
- 箱庭世界の中に遊びの工夫が光る
水墨画調マンガのような
独特なグラフィック
神谷氏は当初、フォトリアルな高精細なグラフィックでゲーム開発を展望していたが、当時のコンシューマ機のスペックでは望むような表現が難しく、スタッフの1人が和風の表現で描いたイラストからヒントを得て、水墨画のような漫画タッチに振り切ってゲーム開発を始めたそうだ。2006年の作品だが、画質が粗いなど感じることはなく、今もなお独特の表現で古臭さを感じない。チームラボが手がけるプロジェクションマッピングの映像のようも見える。
新鮮な操作スタイル筆しらべと大神の成長
Wiiの特徴的な機能のリモコンコントローラー、本作はその機能を活かした画面に筆で書くように円や線を引くと、花を咲かせたり、敵を攻撃したりと様々なギミックが用意されている。Wii以降の機器ではアナログスティックを用いて操作を行う。元々は13の筆しらべを持っていた主人公がオロチとの戦いで失った12の分神の筆神達と道中で再会することで新しい筆しらべを会得できる。
戦闘は筆しらべだけでなく、大神の纒う神話に登場する勾玉や剣、鏡などを装備してお好みのスタイルで戦うことができ、また大神自身の技の習得やパラメーターなどの成長要素も見逃せない。
日本神話のキャラクター達
本作は古来の日本をモデルにしており、主人公はアマテラス、脇役にスサノオ、かぐや姫、乙姫など史実に忠実ではないが、神話や昔話に所縁の深いキャラクター達が登場する。
箱庭世界の中に遊びの工夫が光る
本作は小さなオープンワールドライクな幾つかの舞台が存在し、プレイヤーを飽きさせない工夫が光っている。妖怪牙の収集、妖怪面相書き、飛脚のハヤテとの追いかけっこ、穴掘りイベント、動物の餌付け、植物の開花、新しい筆しらべを覚えて新たな場所の発見、鬼斬斎の道場、沢山のミニゲームやイベントが目白押しだ。それらをクリアすると貴重なアイテムや幸玉の獲得などの恩恵が得られるので無駄ではないのも嬉しい。
大神の面白くない・つまらない点
- 筆しらべが面倒になる
- 会話が長い
- 戦闘やミニゲームにあきる
筆しらべが面倒になる
本作はWiiで最初に発売されWiiリモコンのモーションセンサーを活かし画面に筆で書くように操作するのが本来の遊び方だったが
筆者はSwitchのコントローラーのアナログスティックを使っていたので、なかなか上手く書けないことが多くストレスを感じることも。
もちろんWiiリモコンのように遊ぶこともできたが、どちらにせよ最初は面白いのだが、次第に操作が面倒になってくるだろう。
会話が長い
昨今は声優による音声が付いてくるのが珍しくないのだが、大神はテキストによる会話と言葉は擬音で表現されている。
割と会話が長めでテキストを読むのに疲れる。そして、誤って会話を読み飛ばしてしまった際の読み返し機能が無いのが残念だ。
戦闘やミニゲームに飽きる
最初のうちは戦闘も筆しらべを使って創意工夫して倒すことができるのだが、後半になってくると戦略も単調になりがちで退屈なものになるだろう。ミニゲームも同様で最初は面白いものもあるが、同じ内容の使い回しや操作性に苛立ちを覚える場面も。
それらを踏まえて
大神 には星4を贈ろう
本作は、グラフィックデザインやアクション性など時を経ても色褪せない魅力を持った作品と言えます。水墨画のような素敵なグラフィックに目が行きがちですが、物語も心温まる良い仕上がりになっており、プレイヤーを愛すべきキャラクター達が彩る神話の世界へ誘ってくれることでしょう。